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「服の遺伝子」〜リメイクとデジタルで紡ぐ一着の物語〜

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Category

Product Design / Making / Sustainable Fashion

Concept

「履歴」ではなく「遺伝子(GENOME)」を継承する。
3本のデニムを1本に再構築し、NFCタグで記憶を紡ぐ新しい服のあり方の提案。

STEP 01: EMPATHIZE

「なぜ、私たちは服を捨てるのか?」

普段人々が服を手放す理由として、「古いから」「気分じゃ無いから」「新たな服を買ったから」など様々な理由があります。
実際にCommunity Loopsでの活動やリペアカフェの活動を学びながら、普段身の回りでどれだけの服が買われては捨てられていくかの現状を目の当たりにし、 一方北欧でのリペアカフェという地域に根ざしたコミュニティや好循環の形を発見しました。

その中で、Community Loopsは回収した衣類にそれぞれ前使用者の思い入れや記憶があることを大切にしていました。

STEP 02: DEFINE

「サステナブルは、なぜ“つまらない”のか?」

SDGsやサステナブルファッションを学んで行く際、どうしても「義務感」や「意識の高さ」といった、一部の意識の高い人が行うもの、というイメージが先行してしまい、もっと純粋に、生活やファッションを楽しむ延長線でのサステナブル・エコが必要なのではと感じるようになりました。

実は当初、私たちも回収された衣服を使ったカップル向けのワークショップをして、エコで可愛くオシャレに、というコンセプトで案をまとめていましたが、他の班もワークショップの案が出ていたのと、「このままではありきたり」という視点から、心機一転別のプロジェクトを進展させることになりました。

STEP 03: IDEATE

「服に『家系図』を持たせるという発想」

そこで私たちは、Community Loopsが「着られる服」を再利用している部分に着目し、服として機能するだけの「着られる服」ではなく、シンプルに「着たい服」を生み出すことはできないか?という発想に至りました。

私の原体験として、仮に思い出が沢山ある服であったとしても、高い服であったとしても、その服単体として今着たい形やスタイルでないのであれば価値は無い、逆にそういった服達がリメイクなどを経て魅力的な1着になるシーンを何度か体験してきました。 この経験から着想を得て、複数の服を解体・融合し、そのルーツをNFCタグで可視化する「服の遺伝子」というコンセプトに辿り着きました。

デジタル(NFC)× アナログ(Remake)による新たな価値創造—— リメイクによって複数の服を混ぜ合わせるだけでなく、そのプロセス自体をNFCタグに記録し、スマホで読み取れるようにする。服の「履歴書」を作ることで、次の持ち主や自分自身が、その服の価値を再発見し続けられるサイクルを考案しました。

Concept Idea

こうしてこのプロジェクトを進めるにあたって、知り合いがいるアパレル系の学生団体「around20」に協力を頂き、 回収された服がある倉庫から実際に3本のデニムパンツを提供していただきました。

STEP 04: PROTOTYPE

「プロトタイプの制作」

実際にaround20から提供されたデニムを使い、物理的な制作を開始。

内容としては2チームに分かれての作業。
1チームはデニムの解体、パーツ化、縫い付けや仕上げ、NFCアクリルストラップの制作や装飾など。
もう1チームはSEチームでNFC用の独自サーバーの構築・テスト

服飾の専門知識が足りない中、実際にミシンを使い、サイズ選定や、ヒップの調整。実作の壁にぶつかりながらも、今思い返せば、手を動かして「唯一の一本」を制作する過程こそが、そのデニムに愛着を増やす工程だったと思います。

Making Process
NFC SITE — PROTOTYPE

「服の家系図」を可視化するWebサイト

NFCタグを読み取った際に表示される専用サイトを、 チームメンバーの hikaru が開発しました。
SOURCE 1〜3それぞれのデニムの素材・ブランド・回収日が記録され、 最終プロダクトへの「遺伝」の割合がビジュアルで確認できます。

NFC SITE — LIVE JEANOME — Genealogy hikaru-01817.github.io / Project_gene_for_clothing
STEP 05: TEST

「中間発表・最終発表でのプレゼンと、そのフィードバック」

・結果:
- 環境省やパネリストの方からの「着たい服」という視点や遺伝子というコンセプトへの高い評価を頂きました。
- 一方「お尻周りがタイト」という設計上の課題を発見。ベースとするデニムの選定時、より適切なサイズの選定が必要であることを確認しました。

反省点としては、やはり服飾の専門知識が足りない中での制作だったため、よりプロダクトのクオリティを高めるために服飾関係の方と協働することが必要であると感じました。また、NFC用の特設サイトのUI/UXの部分も、より統一感のあるデザインを目指すために、もっと多くのコミュニケーションや擦り合わせをすべきだったと感じました。

・プロダクトを作り終えた後の感想
完成したデニムを手に取り、実際にNFCでデータを読み取るという体験型のプロダクトを提供できたことで、使い手の当事者意識が刺激されたり、愛着が深まったりすることを実感することができ、そういった部分にとても達成感を感じました。

Testing Experience
Testing Experience

平山 喜一 / Kiichi Hirayama

神奈川大学 経営学部 / 道用ゼミ
Sustainable Fashion / UI Design / Making

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